平成28年8月5日の日経新聞に、『民泊2泊から容認  政府、特区で地域拡大へ試行』の記事が掲載されました。既にご存知の方もいらっしゃると思います。

一つは、政府は国家戦略特区内で運用可能な特区民泊(現在は東京都大田区と大阪府のみ)を短期滞在客向けにも解禁する方針であり、現状の日数制限6泊7日以上を2泊3日以上に短縮するという。

もう一つは、特区以外ではホテルや旅館が技能実習制度や在留資格の要件を緩和して外国人を活用しやすくする方策を探る。というもの。

このニュースは日経新聞でしか報道されていないので、不明点は多々ありますが、その後の民泊関連株価は急上昇。
最近は、消極的なニュースが多かったため、業界へのインパクトは大きかったようです。

当然、ホテルや旅館業界からの反発が想定されますが、そこで一緒に報道された二つ目の外国人雇用の記事。

ホテルや旅館では、多くの部署にわたって人員不足です。日勤や夜勤のフロントスタッフ、宿泊予約係、そこそこ大きいホテルだとコンシェルジュやゲストリレーション、ベルなどのスタッフも必要です。もちろん客室清掃等の人員確保も課題です。

そこで外国人労働力の活用という事になります。身分系の在留資格であれば制限なく働けます。もしくは該当する就労系の在留資格を取得する必要があります。

留学生が資格外活動として働くには労働時間の制限があり、国際業務(就労系)などの在留資格であれば出来る業務内容が制限されます。
国際業務の在留資格で客室清掃やレストランでの接客業務は原則できません。これらは「国際業務に該当する業務」とは認められていないからです。

法務省入国管理局は、『ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化』について公表しています。

一方、記事にある『技能実習制度』とは、簡単にいうと「日本の技術等の移転を通じて途上国の人材育成に貢献すること」を目指して作られた制度です。しかし一部の技能実習受け入れ機関等が十分に理解せず、実質的に低賃金労働者として受け入れ幾度となく問題視さている制度です。農業、漁業、建設現場などで技術習得を目的に受入れられております。

日本の技術等の移転(日本のおもてなし文化)を通じて人材育成に貢献するということでしょうか???

内容はよくわかりませんが、そもそも特区民泊を認める区域が増えない限り、2泊から容認しても問題は解決されないようにも思います。